生型鉄瓶製造工程
- 型形成
- 鉄瓶の胴型と尻型の上下の砂型を作り、中子を入れ砂型を重ね、できた砂型をたくさん並べます。
- フキ(鋳込み)
- 華やかで緊張感が走る作業が「フキ」です。コークスと鋳鉄を交互に入れ、キューポラや、こしき(溶解炉)で鉄を溶かし、柄杓にくみ取り、約1500℃に溶かされた鉄を鋳型に流し込みます。
- 型ばらし・加工
- 鋳込んだ鉄が固まり、鋳型から取り出します。鉄瓶の中子の砂を落とし、グラインダーで鋳バリを落とします。
- 釜焼き
- 一つ一つ仕上がっているか検品します。その後に釜で約1時間800℃で焼きます。酸化被膜をつけサビを防ぐ皮膜を作ります。
- 着色・仕上げ
- 鉄瓶の表面をきれいにし塗装します。きれいに拭き上げた鉄瓶に鉉をつけて完成。
【焼型・生型について】
溶けた鉄を流し込む鋳型には、二つのタイプがあります。
焼型
作った型を高温で焼いて固める南部鉄瓶の伝統的な製作方法で、文様を押して作った型を炭火で焼きあげることで焼型と言われています。重厚な逸品です。焼型は細かい模様を刻めるというメリットがあり、手作り品。
生型
砂に水と凝固剤を混ぜ、それを押し固めて作る焼型鉄瓶とは対称的に現代鋳造で製作した鉄瓶。鋳物の砂で型を作り造形の際に焼型鉄瓶のように焼きあげないので生型といわれています。伝統の技と現代鋳造がマッチした秀作です。生型は効率的な作り方で、大量生産向け。